ドル円の為替レート予想

ドル円レート予想 水準を見極める必要あり

まずドル円相場を見てみよう。1980年代後半以降、ドル円相場は企業物価に基づいたPPPと輸出物価PPPに挟まれたレンジを中心に上下動してきた。左下のグラフのとおりだ。これを左上の実質相場指数で見ると、80〜100円が中心レンジとなっている。

 

ゴルフでいえばフェアウェイだ。名目相場の「1ドル100円は実質相場指数では90でレンジのほぼ中心、現在の1ドル90円だと「実質相場指数で見ると、80〜100円が中心レンジとなっている。ゴルフでいえばフェアウェイだ。名目相場の「1ドル100円は実質相場指数では90でレンジのほぼ中心、現在の1ドル90円だと「ドル下限に近いフェアウェイの上」に位置することになる。80円台からはドル安のラフだ。

 

ドル買い円売りブームだった2006年から07年夏までの実質相場指数は100を超えていた。ドル相場が割高圏であり、「ドルを買ってはいけない」水準だったこともわかる。後で見るように、この時期の他の高金利通貨の割高(円の割安)もまったく同じで、この局面で高金利外貨投資を続けていた人は、住宅価格のさらなる上昇を信じて住宅投資をしていた米国の投資と同じようなものだ。

 

前述のとおり、為替相場には「高金利(高インフレ)→通貨価値の下落→為替相場の下落」という法則がある。むろん、日米についても当てはまる。77〜08年の期間の10年物国債利回りは、米国債7.5%に対して日本国債4.4%、日米金利格差は3.1%だった。これは同じ時期の日米インフレ格差約3%を反映したものだ。

 

一方で、同じ時期のドル相場は円に対して年率平均3%下落した。つまず金利格差は長期的には為替相場の変化で相殺されることをさしている。これを「金利平価原理」と呼び、PPPと並ぶ為替相場の長期法則である。ドル相場の割高圏で米国債を買えばリターンは円金利以下かマイナス、ドル相場の平均値で買ってもリターンは円金利と同じにすぎないわけだ。

 

なお、PPPも実質相場も算出するためにある時点を起点にする必要がある。いつを起点にするかでグラフの形状や指数の水準が異なってくることには要注意だ。

 

たとえば、その通貨相場が過大まずドル円相場を見てみよう。1980年代後半以降、ドル円相場は企業物価に基づいたPPPと輸出物価PPPに挟まれたレンジを中心に上下動してきた。左下のグラフのとおりだ。これを左上の○○が中心レンジとなっている。ゴルフでいえばフェアウェイだ。

 

名目相場の1ドル100円は実質相場指数では90でレンジのほぽ中心、現在、1ドル100円だと「ドル下限に近いフェアウェイの上」に位置することになる。80円台からはドル安のラフだ。ドル買い円売りブームだった2006年から07年夏までの実質相場指数は100を超えていた。ドル相場が割高圏であり、「ドルを買ってはいけない」水準だったこともわかる。

 

後で見るように、この時期の他の高金利通貨の割高(円の割安)もまったく同じで、この局面で高金利外貨投資を続けていた人は、住宅価格のさらなる上昇を信じて住宅投資をしていた米国の投資家述のとおり、為替相場には「高金利(高インフレ)→通貨価値の下落→為替相場の下落」という法則がある。むろん、日米についても当てはまる。

 

77〜08年の期間の10年物国債利回りは、米国債7.5%に対して日本国債4.4%、日米金利格差は3.1%だった。これは同じ時期の日米インフレ格差約3%を反映したものだ。一方で、同じ時期のドル相場は円に対して年率平均3%下落した。つまり金利格差は長期的には為替相場の変化で相殺されることを示している。これを「金利平価原理」と呼び、PPPと並ぶ為替相場の長期法則である。ドル相場の割高圏で米国債を買えばリターンは円金利以下かマイナス、ドル相場の平均値で買ってもリターンは円金利と同じにすぎないわけだ。

 

なお、PPPも実質相場も算出するためにある時点を起点にする必要がある。いつを起点にするかでグラフの形状や指数の水準が異なってくることには要注意だ。たとえば、その通貨相場が過大評価されている時点を起点にすると、PPPも過大評価されたものとなる。市場相場がPPPを下回っていても、それは市場の過小評価、割安を必ずしも意味しない。

 

ドル円では、変動相場制に移行した73年が偶然、日本の経常収支がおおむね均衡していた年でもあり、本試算では73年を起点にしている。基調が続いている。

 

米国の経常収支赤字が続き、08年末の対外純債務(対外債権から債務を引いた金額)は3.5兆、GDP比24%に達している。このままだと海外の投資家が投資を引き揚げ、そのときには米国の債券、株、ドルが揃って暴落する危機に陥るのではないかと心配する向きもある。

 

だが、必ずしもそうはならない。米国の貿易収支、経常収支とドル相場は短期的な関係は薄いが、中長期的には深ぐかかわっている。経常収支赤字が拡大、対外純債務が累積し、その時々の上限に達すると、ドル相場は下落し、3年ほどのタイムラグを伴って経常収支赤字の調整が進む。

 

06年に経常収支赤字はGDP比6%のピークに達し、その後はドル相場の下落に遅れながらも経常収支赤字は縮小。09年第2四半期では2.8%まで縮んだ。米国の対外純債務は世界最大、米対外負債は08年末で234兆ドルであるが、対外債権も世界最大で19.9兆ドルある。

 

しかも対外債権の総合投資リターンは米国に有利だ。過去20年実績で対外投資リターンは299%、対外負債は522%と大きな開きがある。このリターン格差が今後も続くとすると、年間約6100億ドル(現在の名目GDPの4%以上)の対外投資総合収益が貿易赤字を相殺することになる。

 

貿易収支、経常収支が黒字にならなくても、赤字がある程度縮めば、米国の対外純債務が縮小することは可能となるわけだ(より詳しくは『これから10年外国為替はこう動く』を参照)。ドル相場の下落が、トリプル安や米国危機シナリオにつながるわけでないことは、十分に注意していただきたい。