主要通貨10通貨の割安感・割高感
外国為替相場には「長期法則」がある。ある国のインフレ率が趨勢的に高い場合、名目金利も高くなる。インフレとは物価全般の上昇であり、逆にいうと通貨の購買力(通貨の価値)の減少だ。そしてインフレによる通貨価値の減少は他通貨に対する交換レート、すなわち為替相場の下落につながる。これこそが外国為替相場を支配する長期法則だ。「高金利=高インフレ通貨=為替相場は長期的には下落」なのである。
二つの通貨のインフレ率の格差に基づいた為替相場の理論値が「相対的購買力平価」(以下PPP)だ。市場の為替レート(名目相場)は、一年以内の短期あるいは数年間の中期では、PPPから大きく乖離することがある。しかし、乖離が広がるとPPPに回帰しようとする力が働く。短期、中期で市場相場がPPPから離れて上昇、下落する要因はいくつもある。二国の景況格差や名目金利差の変化、対外収支不均衡、それにブームもその一つだ。
投資ブームの時期には、高金利通貨に投資してリターンを上げようとする(逆に低金利通貨は債務にして支払金利コストを下げようとする)投資家の行動自体が、高金利通貨を持続的に上昇させる。ところがその結果PPPからの乖離が進むと、遅かれ早かれ市場相場はPPPに回帰する。つまり高金利通貨の下落が始まる。それまでのPPPからの乖離が大きいほど、また投資家の高金利通貨買い(低金利通貨売り)のポジションの累積が大きいほど、相場下落は急激かつ大幅なものになる。
外為市場は過去、そうしたブームとその破裂を繰り返してきた。巷に広く流布している=局金利通貨に投資すれば長期的には高い運用リターンが得られる」というのは。トンデモ論にすぎない。

長期でレンジを形成する実質相場指数で判断
ブーム崩壊後の割安圏で投資をすれば、金利格差以上のリターンを上げられることになるが、相場の高値、安値のタイミングを予測するなど不可能だ。無理な相談である。数年あるいはそれ以上の長期投資に徹する覚悟が必要だ。
では、為替レートの長期的なで割安度、割高度を見るには、どうすればいいか?・ 普通の名目相場を眺めていても、さっぱりわからない。名目相場を二国のインフレ率で調整した「実質相場」で見てみることである。「インフレ率で調整する」とは、ある時点の名目相場がPPPから乖離している度合いを指数にして表示することを意味する。式はこうなる。「実質ドル円相場指数=起点時点の為替相場指数(100)×名目為替相場÷PPP」。
ある起点のドル円相場が1ドル200円で、10年後に「1ドル100円になったとしよう。また、同じ10年で米国のインフレ指標は100から200になり、日本は100のまま不変だったとする。この場合、起点の指数を100とすると、10年後の実質ドル円相場指数も100であり、スタート時点と変わらない。実質ペースでは、10年後のて1ドル100円は10年前の1ドル200円と同じということになる。
それでは10通貨の対円相場の現状を、この実質相場指数を通して概観してみよう。
為替用語集「日銀の指値介入とは」
2011年10月31日、ついに政府・日銀が円売りドル買い介入を実施した。連日、円が高値を更新する中で「断固、対抗する」との口先介入ばかりを繰り返していたのだが、ついに動いた。介入前に1ドル75円台で推移していた円は、一気に79円台後半まで下落、その後は午前11時半過ぎから午後3時ごろにかけて79.2円前後で相場が動かなくなった。79.2円近辺で円売り注文を出し続ける「指し値介入」の結果である。この3時間あまり円相場は当局の管理下にあったと言える。
ただ、管理から開放された欧州時間に入ると円を買い戻す動きが活発化、介入から一夜明けた11月1日早朝は78円台での取引になっている。31日の介入規模は7−8兆円規模で、1日分としては過去最大だったようだ。この大規模な介入を生かすためにも、今後の当局の動きが注目される。
なお、為替介入の原資となる政府短期証券(FB)の発行限度額は150兆円で、9月末の発行残高は119兆円。残り31兆円のうち7−8兆円を使ったことになるが、第3次補正予算において介入枠が15兆円拡大される見通しだ。
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【最新の外国為替情報】欧州時間は、アジア株式に続き欧州株式市場も堅調な寄り付きとなった事で、リスク選好への思惑が強まり、主要通貨やそのクロス円通貨が下値を切り上げる動きを強めた。その後、堅調に推移していた欧州株式市場が反落に転じると、これをきっかけにユーロなど主要通貨は利食いに押される展開となって反落する展開となり特にユーロ円などのクロス円通貨はアジア時間からの上昇は陪乗に値を下げる動きとなった。